まっすぐな動線で移動が快適な家
車いすでも制限のない暮らし
玄関を囲むように部屋とガレージが突き出ている、ドッシリと重厚感がある外観です。
この家は車いすでの生活が前提のバリアフリー設計です。車いすから立たずに、乗ったままでも楽に生活できるのをすごく重点的に考えました。
打ち合わせ時、車いす生活での動作についてあらゆることを施主様にお聞きし相談しました。得意な動作や苦手な動作。例えば、トイレに行くにはこう通りたい、こう入りたいなど。車いすの動きを知り、考える必要がありました。
そうして出来上がった家です。車いすでも十分に通行可能な幅のドア、乗った状態で掛け外ししやすい高さのハンガー、高さを調整してある洗面台、すべての部屋と部屋をスムーズに移動できる動線。高さと幅には、とにかくこだわりました。
車いすで生活する人が、日々のちょっとした移動や生活動作において多くの制限を受けないように、お一人でも快適に暮らせる間取りです。
ほぼ直線の生活動線
生活する上で、なるべくUターンをしなくてもいいように、生活動線がなるべくまっすぐになる間取りを設計しました。
リビング→ダイニング→キッチン→洗面→脱衣所までの動線が一直線です。
生活動線がまっすぐになることにより、家具や家電製品の配置も簡単になり、部屋のスペースを最大限に活用できます。無理なく通れるスペースの確保は、移動するときの転倒や怪我のリスクを減らすことにもなります。
なんなく通り抜けられる出入り口
車いすでも自然な移動で部屋を出入りできるように、出入り口の幅を広くとっています。
一般的な幅だと一度止まってぶつからないかを確認してから出入りすることになりますが、幅を広くとることでいったん止まらなくてもスムーズに出入りができます。
当初この出入り口には、施主様はドアをつけるご予定でした。頻繁に出入りすることが考えられるため、つけないことをご提案したところ快諾していただけました。
住みはじめて少し経ってから「やっぱりなくて良かったよ。開け閉めが手間だったろうね」というお声をいただきました。
見どころ
脱衣所から洗面、キッチン、ダイニング、リビングまでほぼ直線で通れる間取り。キッチンから奥の畳のスペースを見ると、空間の広さを感じることができます。畳スペースは、車いすからぱっと移って、無理なく座ることができる高さにしています。
車いすの移動ではちょっとした段差や溝も敵!ほぼすべての部屋の出入り口には段差も、スライドドアのレールもつけていません。ガレージの中もスロープがあるので、そのまま降りていくことができます。
車いすで洗面しやすいように、洗面台の下を車いすが入る空間をつくり、洗面台の高さを低くしています。