家の断熱性を重視する人は多いですが、同じくらい重要な要素である気密性を見逃していることが多いです。
気密性と断熱性は、快適な住環境を作るためにはどちらも重要です。
断熱性だけを向上させても、気密性が低ければその効果を十分に発揮することができないためあまり意味がないんです。
例えば、高い断熱性能があれば、暖かい家、涼しい家になるわけではありません。
今回は、その理由と気密性の重要さについてお話しします。
それではご覧ください!
家づくりで気密性が重要な理由
気密性とは、住宅の隙間を無くし、室内外の空気の漏れを防ぐことを指します。
つまり、「家と外の空気の出入りによる熱の移動がどれだけ少ないか」を指しています。
夏だと、冷やされた空気が外に漏れて、外の温かい空気が入ってくる。
冬だと、温かい空気が外に漏れて、外の冷たい空気が入ってくる。
この度合いを少なくする性能のことです。
気密性が高いと、外気温の影響を受けにくくなり、効率的な温度管理やエネルギー節約が可能になります。
断熱性と気密性は、どちらも快適性を向上させる上で非常に重要な要素です。
断熱材は外部からの熱の侵入や逃げるのを防ぎ、気密性は住宅内部の空気が外部に漏れ出すのを防ぎます。
気密性が悪いと、家の中の空気が外にどんどん漏れていって、外の空気が入ってきてしまいます。
例えば、あなたが冬のとても寒い日にダウンジェケットを着たとします。
あなたは、どんな着方をしますか?
しっかりと上までファスナーを閉めて着ますよね。
ファスナーが全開だったり、半分しか閉めていなければ、冷たい空気にさらされて体の熱が逃げて寒くなってしまいますよね。
ダウンジャケットのダウンを断熱性、ファスナーを気密性に例えています。
ファスナーをきっちり閉めないと、どんなに品質のよいダウンが入っていても寒さは防げません。
高い「断熱性」で外の温度の影響を受けにくくし、高い「気密性」で部屋の空気を逃さない。
この二つが組み合わさることで、高い省エネ性能を実現できるんです。
だから、気密性も重要なんです。
換気効率を上げることができる
気密性を高めることで、換気効率を向上させることができます。
建物の隙間が少なくなると、計画的な換気システムが効果的に機能し、室内の空気の流れがスムーズになります。
例えば、気密性の高い住宅では、換気システムが効率的に空気を循環してくれます。
これはシックハウス症候群やアレルギーの予防にも役立ち、特にアレルギー症状に悩む住民には非常に有益です。
建物の老朽化を抑制できる
気密性が高い建物は、老朽化を遅らせる効果があります。
これは、建物内外の温度差が小さくなることで、温度変化による材料の収縮や膨張を抑えることができるためです。
また、湿気の流入を防ぐことで、腐朽や腐食を防ぐことができます。
例えば、気密性の高い住宅では、断熱材が湿気を含むことなく長期間にわたって保持されます。
その結果、断熱性能が持続し、構造材の腐朽やカビの発生が抑えられます。
気密性と断熱性が高い場合のメリット
気密性と断熱性が高い家は、多くのメリットがあります。
まず、室内の温度を一定に保つことで、季節を問わず快適に過ごせます。
さらに、冷暖房の効率が向上し、光熱費の削減が期待できるため、経済的なメリットもすごく大きいです。
加えて、外部の騒音を遮断することで、静かで落ち着いた住環境を実現できるのも魅力です。
そして、高い気密性と断熱性は結露やカビの発生を防ぎ、健康的な生活をサポートします。
季節を問わず快適に過ごせる
気密性と断熱性が高い住宅では、1年中快適な温度を保つことができます。
外部の気温変化の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保つことができるからです。
これにより、冬は暖かく、夏は涼しい環境を実現できます。
例えば、冬の寒い日に暖房を使用すると、その暖かさが外に逃げにくく、室内は快適な温度が維持されます。
同様に、夏の暑い日にはエアコンの冷気が外に漏れにくく、涼しい室内環境が保てます。
気密性と断熱性を高めることで、季節を問わず快適に過ごすことができるようになります。
冷暖房費が安くなる
冷暖房費を大幅に抑えることができます。
これは、建物が外気の影響を受けにくくするため、冷暖房の効率が向上するからです。
夏の暑い時期や冬の寒い時期にエアコンやヒーターを使用する際、外からの熱や冷気の侵入を防ぐことで、設定温度を容易に維持できます。
その結果、冷暖房機器の稼働時間が短くなるため、電気代やガス代の節約につながります。
遮音性が高くなる
気密性が高い住宅は遮音性が向上します。
隙間が少ないため、室外の騒音が室内に侵入しにくくなるからです。
例えば、交通量の多い道路沿いの住宅でも、気密性が高いために外からの車の音や人の話し声が気にならないといった効果があります。
夜間の静かな環境を保つことができ、睡眠の質の向上も期待できますね。
また、同時に室内の音が外部に漏れにくくもなります。
気密性が高い場合のデメリット
気密性が高い住宅には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
ここではそのデメリットについて詳しくお話ししていきます。
ハウスダスト対策が必要になる
気密性が高いと、換気をしっかりしないと空気がほとんど入れ替わらず、ハウスダストやアレルゲンが室内に溜まりやすくなります。
ペットの毛や花粉、食品のカスなどが室内に留まりやすく、アレルギー症状を引き起こすことがあります。
ですので、気密性が高い住宅では、換気や定期的な掃除が重要です。
内部結露が発生するリスクが高まる
気密性が高い住宅では、内部結露のリスクが増加する可能性があります。
これは、外部との空気の流れが制限され、室内の湿気が逃げにくくなるためです。
その結果、壁の内部や天井裏で結露が発生しやすくなります。
具体的には、冬場などに室内で暖房を使用した際、暖かい空気が冷たい壁や天井と接触するとそこに湿気が凝結し、水滴となります。
このような現象が繰り返されると内部結露が発生しやすくなります。
内部結露が蓄積すると、湿気が壁内にこもり、木材の劣化やカビの発生を引き起こすことがあります。
このため、気密性の高い住宅では内部結露の防止対策が必要不可欠なんです。
気密性が悪くなる主な場所
・床
・壁
・配管、配線用の穴
家はたくさんの部材を使って建てています。
部材と部材が合わさる部分にはどうしても隙間ができてしまいます。
建物の設計や施工の品質が均一でない場合、特定の部分が気密性の弱点となってしまいます。
これらの場所から空気が漏れることが、全体の気密性を低下させることになります。
例えば、窓枠やドアの隙間、電気配線や配管の通り道、天井と壁の接合部などがそうです。
こうした部分は、空気の流れが生じやすい場所です。
窓枠やドアの隙間は日常生活の中で意識しやすい場所であり、そこでの気密性の低下は冷暖房効率を大きく下げ、結果的に光熱費の増加を招いてしまうんです。
他にも、電気配線や配管の通り道からも空気の流れがあります。
そして、大切なのはこれらの隙間をしっかりと特定し適切に対策を施すことです。
ベルズワークスの気密性を高める施工
気密性が悪いのは施工の甘さからです。
例えば、しっかりとした断熱材を使って機密性を高めようとします。
しっかりと断熱材を敷き詰めても、断熱材と断熱材との間に一箇所でも隙間が空いていると、そこから空気や湿気の流れがバンバン入ってきてしまいます。
これだといくらいい断熱材や厚い断熱材を使ってもあまり効果はないです。
なので、丁寧で精度の高い施工が必要なんです。
気密性テープで全ての隙間を塞ぐ
床に断熱材を入れたとき、断熱材と木材の間に1mmほど隙間ができます。その隙間を全て気密テープを貼って塞いでいます。
たった1mmの隙間でも、想像以上に床下からの空気の出入りがあるんです。工務店によっては、入れてそのままのこともあります。
構造用パネルを使用
柱の外側に構造用パネルをつけます。(写真の青い部分)家の耐久性を高めるために使用しておりますが、気密性を高める効果もあります。
パネルとパネルの接合部には断熱材を吹き付けて隙間を埋めるのでさらに気密性が高まります。
パイプ周りの空間を塞ぐ
キッチンや洗面所の水道管などは床下から伸びてきています。パイプを家の中に入れるために床に丸い穴を開けて通してきます。
通しやすいようにぴったりの穴の大きさではないので、写真のようにパイプと穴の間に隙間ができます。
その隙間から床下の空気が入ってきてしまうので、しっかりと穴を塞いでしまいます。
最後に
気密性は断熱性と同じくらい重要であり、快適な住環境を作るためには必要な要素です。
気密性が高いことで、換気効率の向上、建物の老朽化防止、季節を問わず快適な生活、冷暖房費の削減、遮音性の向上など、多くのメリットがあります。
一方で家の中の空気の流れが制限されることにより、ハウスダスト対策、内部結露の発生のリスクなど対策すべきデメリットも存在します。
ですが、そのデメリットはきちんとした換気システムを工務店に構築してもらうことで解決できることです。
気密性を高める施工は、家の施工の中でも簡単な部類ではありません。
隙間から入ってくる空気の流れはないかを把握しチェックし、隙間を塞ぐための施工をする。
経験と手間が必要になります。
ベルズワークスはパッシブデザインを取り入れていますので、断熱性には自信があります。
同時に、その断熱性を活かすための気密性にも同じく自信があります。
ご紹介したベルズワークスの気密性を高めるための施工は、弊社の標準施工です。
もちろん、さらに気密性をあげる施工もあります。
快適な暮らしを送りたい方はぜひ!
ベルズワークスでは無料個別相談を随時実施しています。
いつでもお気軽にお申し込みください。直接の営業(訪問や電話)は行っておりませんので安心してください!!