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2025.04.23

【2025年法改正】省エネ住宅のメリット・デメリットから補助金まで徹底解説

【2025年法改正】省エネ住宅のメリット・デメリットから補助金まで徹底解説 画像
投稿日:2025.04.23

「省エネ住宅ってよく聞くけど、具体的にどんな家なの?」
「設備にお金がかかるんじゃないの?」
そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?
加えて、2025年4月から「一定の省エネ基準を満たさないと新築住宅が建てられなくなる」といった新たなルールが開始されました。

省エネ住宅は、光熱費をグッと抑えられ、一年中快適に過ごせて、しかも地球にも優しい、とは言いますが果たして本当なのかどうか。
今回は、省エネ住宅の基本から、気になるメリット・デメリット、種類、そして絶対に見逃せない補助金や税金の優遇制度まで、省エネ住宅のすべてを丸ごと解説します。
新築はもちろん、リフォームも対象です。
それではご覧ください!

「省エネ住宅」ってどんな家?

「省エネ住宅」とは、一言でいうと「少ないエネルギーで快適に暮らせる家」のことです。
省エネ住宅には、従来の住宅と比べて3つの特徴があります。

  1. 断熱性能が高い:家の外壁や屋根、床、窓などに高性能な断熱材や断熱窓を使うことで、外の暑さや寒さの影響を受けにくくします。
    例えるなら、夏は長時間ひんやりしている保冷バッグ、冬はいつまでも暖かい魔法瓶のようなイメージです。
  2. 気密性能が高い:家のすき間をできるだけなくし、無駄な空気の出入りを防ぎます。これにより、冷暖房で調整した室内の快適な空気が外に逃げにくくなります。
  3. 効率の良い設備を使っている:少ないエネルギーでお湯を沸かせる給湯器(エコキュートなど)や、消費電力の少ないLED照明、高効率なエアコンなどを使います。

これらの工夫によって、冷暖房など家で消費するエネルギーを大幅に抑えることができる住宅が「省エネ住宅」なんです。

ではなぜ今、省エネ住宅が注目されているのか?
地球温暖化対策の一環として「カーボンニュートラル」を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
家庭で使うエネルギー(電気やガスなど)から排出されるCO2は、日本全体の排出量の約15%を占めています。
この家庭からのCO2排出量を減らすために、住宅の省エネ化が非常に重要視されているのです。
国は2050年までにカーボンニュートラル(CO2排出量を実質ゼロにすること)を目指しており、その達成のために、省エネ住宅の普及を強力に推し進めているからです。
国が主体となっているので、ルールの変更や補助金の対象となっているんですね。

省エネ性能を測るものさし:「外皮性能」と「一次エネルギー消費量」

省エネ住宅の性能は、主に2つの指標で評価されます。
ちょっと専門用語が出てきますが、家の性能を知る上でとても大切なので分かりやすく説明しますね。

1. 外皮性能(がいひせいのう)

外皮とは家の屋根、外壁、床、窓などのことです。
この外皮がどれだけ熱を通しにくいかを示す性能を外皮性能といいます。
分かりやすく言うと、家の「断熱性能」のことです。

この性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)という数値で表され、この数値が小さいほど断熱性能が高く省エネになります。

例えば、アルミサッシの窓と、樹脂サッシ+高性能な複層ガラスの窓では、熱の伝わりやすさが全く違いますよね。
UA値が小さい家は、外の暑さ・寒さの影響を受けにくいため、冷暖房の効きが良く、少ないエネルギーで快適な室温を保てるんです。

2. 一次エネルギー消費量

これは、家全体で一年間に消費するエネルギー量を評価する指標です。
冷暖房だけでなく、給湯、照明、換気などで使うエネルギーを合計します。
重要なのは、「一次エネルギー」で評価する点です。

私たちが家で使う電気やガスは、発電所やガス工場で作られて運ばれてくる過程でエネルギーロス (使われずにムダになってしまうエネルギー) が生じています。
一次エネルギーは、その元のエネルギー(石油、石炭、天然ガスなど)まで遡って計算するため、より正確なエネルギー消費量を評価できます。このエネルギー消費量は、BEI(設計一次エネルギー消費量 / 基準一次エネルギー消費量)という数値で表されます。
この数値が小さいほど、省エネ性能が高いことになります。
1.0なら基準通り、0.8なら基準より20%省エネ、といった具合ですね。

また、太陽光発電システムなどでエネルギーを作り出す「創エネ」も考慮されるため、総合的な家の省エネ度合いがわかります。
さらに、断熱性能をより分かりやすく示す「断熱等性能等級」というものもあります。
これは等級1から最高の等級7まであり、数字が大きいほど断熱性能が高いことを示します。
2025年の義務化では等級4以上が求められ、2030年にはさらに高い等級5(ZEH水準)が標準になる見込みです。

省エネ住宅にはどんな種類があるの?

省エネ住宅には、目指す性能レベルや特徴によっていくつかの種類や認定制度があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

  1. ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

    • 特徴:家で使うエネルギー消費量を、太陽光発電などで創るエネルギーで「おおむねゼロ」にすることを目指す住宅。高い断熱性能と省エネ設備、そして太陽光発電システムの導入が必須に近いのが特徴です。
    • メリット:光熱費が大幅に削減できる(場合によってはプラスになることも!)。国からの補助金制度が手厚い傾向にある。
    • デメリット:太陽光発電システムなどの初期費用がかかる。
  2. 低炭素住宅

    • 特徴:二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えるための対策がされた住宅。ZEHほどではないものの、高い省エネ性能が求められます。都市部で建てられることが多いです。
    • メリット:税金の優遇措置(所得税、固定資産税など)を受けやすい。
    • デメリット:認定を受けるための申請が必要。
  3. LCCM住宅(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅)

    • 特徴:家を建てる時(資材製造含む)から、住んでいる間、そして解体・廃棄する時まで、一生(ライフサイクル)を通じてのCO2排出量をマイナスにすることを目指す、究極のエコ住宅。
    • メリット:最も環境負荷が少ない住宅。
    • デメリット:現時点では建築コストが高く、対応できる業者も限られる。
  4. 長期優良住宅

    • 特徴:「長く」「安全・快適に」住み続けられるための措置が講じられた質の高い住宅。耐震性、劣化対策、維持管理のしやすさなどに加え、一定以上の省エネ性能も求められます。
    • メリット:税金の優遇措置が大きい。住宅ローン金利の優遇がある場合も。家の資産価値が維持されやすい。
    • デメリット:認定基準を満たすためのコストがかかる。定期的な点検や修繕が必要。
  5. スマートハウス

    • 特徴:HEMS(ヘムス:ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)という頭脳を使って、家中のエネルギー使用量を「見える化」し、家電や設備を自動制御してエネルギーを賢く使う住宅。太陽光発電や蓄電池と連携させることが多いです。
    • メリット:エネルギーの無駄遣いを防ぎやすい。快適性と省エネ性を両立しやすい。
    • デメリット:HEMSや対応家電の導入コストがかかる。

【超重要】2025年4月から始まった「省エネ基準適合義務化」って何?

さて、ここからは非常に重要なポイントです。2025年4月から新しく家を建てる際には、国が定める「省エネ基準」に適合することが義務化されました。
これまでは努力目標だったり、大規模な建物だけが対象だったりしましたが、これからは原則すべての新築建物が対象となります。

義務化されるとどうなる?

簡単に言うと、省エネ基準を満たしていない設計の家は、建築確認(家を建てて良いかの審査)が通らなくなり、建てることができなくなります。
具体的には、先ほど説明した「外皮性能(UA値)」と「一次エネルギー消費量(BEI)」の両方で、国が定める基準値をクリアする必要があります。

私たち(家を建てる人)にはどんな影響がある?

【メリット】

  • 省エネ性能の底上げ:どのハウスメーカーや工務店で建てても、最低限の省エネ性能が確保されるようになります。「安かろう悪かろう」な低断熱の家が建てられなくなるため、安心して家を選びやすくなります。
  • 光熱費削減&快適性向上:基準を満たすことで、必然的に断熱性・気密性が向上し、光熱費の削減や快適な室内環境につながります。
  • 住宅の資産価値向上:省エネ性能が高い家は、将来的に中古で売却する際にも評価されやすくなる可能性があります。

【デメリット(注意点)】

  • 建築コストの上昇:断熱材のグレードアップや高性能な窓の採用などが必要になるため、従来の最低限の仕様の家に比べると、建築費用が上がる可能性があります。
  • 業者選びがより重要に:基準をクリアするのは当然として、さらに高性能な家を建てるためには、省エネ住宅に関する知識と技術を持った信頼できる設計事務所や工務店を選ぶことがますます重要になります。

国はさらに先の目標として、2030年には新築住宅の省エネ基準を「ZEH水準」まで引き上げることを目指しています。
これは、2025年の基準よりもさらに高い断熱性能などが求められることを意味します。

つまり、省エネ化の流れは今後ますます加速していくということです。
これから家を建てるなら、2025年の義務化基準ギリギリではなく、将来を見据えて、より高性能な省エネ住宅を検討するのが賢い選択になりますね。

省エネ住宅のメリット・デメリット!

省エネ住宅にはたくさんのメリットがありますが、もちろん注意点もあります。両方をしっかり理解しておきましょう。

【省エネ住宅のメリット】

  1. 光熱費が劇的に安くなる!

    • これが最大のメリットと言っても過言ではありません。断熱性・気密性が高いので、冷暖房の効率が格段にアップ。少ないエネルギーで快適な温度を保てるため、月々の電気代やガス代を大幅に削減できます。
    • 例えば、断熱性能が低い家と高い家(ZEH基準など)を比べると、年間で10万円以上の光熱費差が出ることも珍しくありません。住宅ローンは数十年続きますから、この差は非常に大きいですよね。
  2. 一年中、家の中が快適!「夏涼しく、冬暖かい」を実現

    • 外気の影響を受けにくいので、夏は猛暑でも家の中はひんやり涼しく、冬は厳しい寒さでも暖かく過ごせます。冷暖房をつけてもすぐに快適な温度になり、それを維持しやすいのが特徴です。
    • 部屋ごとの温度差も少なくなるため、「リビングは暖かいけど廊下やトイレは寒い…」といった不快感も軽減されます。
  3. 健康的な暮らしをサポート!

    • 家の中の温度差が小さいことは、ヒートショックのリスクを大幅に減らすことにつながります。ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険な現象で、特に冬場の入浴時に多く発生します。省エネ住宅は、このリスクを低減できる健康的な住まいなのです。
    • また、適切な換気計画と高い気密性により、結露やカビの発生を抑制しやすくなります。これにより、アレルギーや喘息の原因となるダニやカビの繁殖を防ぎ、空気のきれいな環境を保てます。
  4. 地球環境に貢献できる

    • エネルギー消費量が少ないということは、CO2排出量も少ないということ。省エネ住宅に住むことは、地球温暖化防止に貢献する、環境に優しい選択です。
  5. 補助金や税金の優遇措置が受けられる

    • 国や自治体は省エネ住宅の普及を後押しするため、様々な補助金や減税制度を用意しています。(詳しくは後述します)
  6. 家の資産価値が維持されやすい

    • 省エネ性能は、これからの住宅選びの重要な基準になります。将来、家を売却したり貸したりする際にも、省エネ性能が高い住宅は有利になる可能性が高いです。

【省エネ住宅のデメリット(注意点)】

  1. 初期費用(建築コスト)が高くなる傾向がある

    • 高性能な断熱材や窓、高効率な設備などを採用するため、従来の一般的な住宅に比べると建築費用が高くなることがあります。
    • ただし、後述する補助金制度を活用したり、長期的な光熱費削減効果を考慮したりすると、トータルコストではお得になるケースが多いです。初期費用だけでなく、住んでからのランニングコストも含めて考えることが重要です。
  2. 設計や間取りに制約が出ることがある

    • 高い省エネ性能を実現するために、窓の大きさや配置、家の形などに一定の制約が出てくる場合があります。デザイン性を重視したい場合は、設計者とよく相談し、性能とデザインのバランスをとる工夫が必要です。
  3. 施工会社の技術力が重要になる

    • せっかく高性能な材料を使っても、施工が丁寧でなければ、断熱欠損(断熱材のすき間)や気密漏れ(すきま風)が発生し、期待した性能を発揮できません。省エネ住宅の建築実績が豊富で、高い技術力を持った信頼できる施工会社を選ぶことが非常に重要です。

省エネ性能を高める3つの重要ポイント

省エネ住宅の性能を高めるためには、主に3つの要素が重要になります。

  1. 断熱(だんねつ)

    • 「家の保温性能」を高めることです。壁、屋根(または天井)、床、そして窓から熱が逃げたり、外から熱が入ってきたりするのを防ぎます。
    • 高性能な断熱材(グラスウール、ロックウール、発泡プラスチック系など)を適切な厚みで、すき間なく施工することが重要です。
    • 特に窓は熱の出入りが最も大きい場所なので、断熱性能の高い窓(樹脂サッシやLow-E複層ガラスなど)を選ぶことが非常に効果的です。
    • 断熱性能は、先ほど説明したUA値で示されます。数値が小さいほど高性能です。
  2. 日射(にっしゃ)遮蔽と取得

    • 「太陽の光(熱)をコントロール」することです。
    • :強い日差しが室内に入ると冷房の負担が大きくなるため、日射を遮る(遮蔽する)ことが重要です。窓の外側に庇(ひさし)やすだれ、外付けブラインドなどを設置したり、遮熱性能の高い窓ガラスを選んだりします。
    • :逆に、太陽の暖かい日差しは積極的に室内に取り込む(取得する)ことで、暖房のエネルギーを節約できます。南向きの窓を大きくするなどの工夫が有効です。
    • 季節に合わせて日射を上手にコントロールすることで、冷暖房に頼りすぎない快適な暮らしが実現できます。
  3. 気密(きみつ)

    • 「家のすき間をできるだけなくす」ことです。どれだけ高性能な断熱材を使っても、家にすき間が多いと、そこから熱が逃げたり、外気が侵入したりしてしまい、断熱効果が半減してしまいます。
    • 丁寧に施工し、防湿気密シートなどを使って、意図しない空気の漏れを防ぐことが重要です。
    • 気密性能はC値(相当隙間面積)という数値で表され、この数値が小さいほど気密性が高く、高性能です。C値は計算では出せず、実際に建てた家で専門の機械を使って測定します。信頼できる工務店は、この気密測定を実施していることが多いです。
    • ただし、気密性が高すぎると、室内の空気が汚れやすくなったり、湿気がこもったりする可能性があるため、計画的な換気が必ずセットで必要になります。気密と換気はセットで考えることが大切です。

【知らないと損!】省エネ住宅で使える補助金・減税制度を徹底活用しよう!

省エネ住宅の建築やリフォームには、初期費用がかかるというデメリットがありますが、国や自治体が用意している補助金や減税制度を上手に活用することで、負担を大きく軽減できます。ここでは代表的な制度をご紹介します。

【補助金制度】

  • 子育てグリーン住宅支援事業 (2025年 NEW):

    • 子育てエコホーム支援事業の後継版。省エネ住宅を建てる場合に利用できる補助金制度です。
      子育て世帯だけでなく、すべての世帯が対象になる項目が増えました。
      最大160万円程度の補助金を受けられる場合もあります

  • 先進的窓リノベ2024事業

    • 既存住宅の窓を高性能な断熱窓にリフォームする費用の一部を補助する制度です。窓の断熱化は省エネ効果が非常に高いため、重点的に支援されています。工事内容に応じて、最大200万円の補助が受けられます(2024年度の情報)。
  • 給湯省エネ2025事業

    • 家庭のエネルギー消費の中でも大きな割合を占める給湯。高効率な給湯器(エコキュート、ハイブリッド給湯器など)の導入を支援する制度です。導入する給湯器の種類に応じて定額が補助されます。
  • ZEH支援事業

    • ZEH(ゼッチ)、Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)、ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)などを新築・購入する場合に補助金が交付されます。性能レベルや追加設備によって補助額が変わります。
  • 自治体独自の補助金・助成金

    • 国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自に省エネ住宅に関する補助金制度を設けている場合があります。例えば、太陽光発電システムの設置補助、断熱改修への上乗せ補助など、内容は様々です。

【減税制度】

  • 住宅ローン控除(減税)

    • 住宅ローンを利用して住宅を取得した場合、年末のローン残高に応じて一定期間、所得税(一部住民税)が控除される制度です。
    • 省エネ性能が高い住宅(長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅など)ほど、借入限度額が大きく設定されており、より多くの控除を受けられる可能性があります。
  • 認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)の所得税特別控除

    • 住宅ローンを利用しない場合でも、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を新築または取得すると、性能強化にかかった費用の一部が所得税から控除される特例があります。
  • 住宅取得等資金贈与の非課税特例

    • 親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。省エネ性能の高い住宅を取得する場合は、非課税枠が上乗せされる場合があります。
  • 固定資産税の減額措置

    • 新築の認定長期優良住宅や、一定の省エネ改修を行った住宅は、固定資産税が一定期間減額される措置があります。

これらの補助金や減税制度は、申請期間や要件、必要な書類などが細かく定められています。また、予算に達し次第終了となる場合も多いので、利用を検討する場合は、早めに情報収集し、ハウスメーカーや工務店、税理士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

補助金と減税制度については、コチラの記事に全部かいてあります!

【2025年最新版】補助金と減税制度で賢く家づくり!2025.2.13【2025年最新版】補助金と減税制度で賢く家づくり!

今住んでいる家も省エネにできる? リフォームについて

「新築はまだ考えていないけど、今の家の光熱費を安くしたい」「冬の寒さや夏の暑さを何とかしたい」という方もいらっしゃると思います。
ご安心ください!
既存の住宅でも、リフォームによって省エネ性能を高めることは可能です。

築年数が経った家は、断熱材が入っていなかったり、性能が低かったり、すき間風が多かったりして、エネルギー効率が悪くなっているケースが多く見られます。

【主な省エネリフォーム】

  • 断熱改修
    • 壁、床、天井(屋根)に断熱材を追加したり、入れ替えたりする工事。
    • 特に効果が高いのが「窓の断熱リフォーム」です。既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓(二重窓)」の設置や、古い窓を高性能な断熱窓(Low-E複層ガラスなど)に交換する方法があります。費用対効果が高く、比較的短期間で工事が終わるため人気があります。
  • 高効率給湯器への交換
    • 古い給湯器を、エコキュートやエコジョーズ、ハイブリッド給湯器などの省エネ性能が高いものに交換します。
  • 太陽光発電システムや蓄電池の設置
    • エネルギーを創り出し、貯めることで、光熱費削減や災害時の備えにもなります。
  • HEMS(ヘムス)の導入
    • エネルギーの使用状況を「見える化」し、無駄を発見しやすくします。対応する家電と連携させれば、自動で省エネ運転を行うことも可能です。

これらのリフォームを行うことで、新築の省エネ住宅に近い快適性や省エネ効果を得ることが期待できます。先ほどご紹介した補助金制度(先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業、子育てエコホーム支援事業など)は、リフォームも対象となっているものが多くありますので、ぜひ活用を検討してみてください。

リフォーム費用は工事内容や家の状況によって大きく異なりますが、補助金を活用することで、負担を抑えながら快適で省エネな住まいに生まれ変わらせることができます。長く住み続ける家だからこそ、早めの省エネリフォームは賢い投資と言えるでしょう。

【失敗しないための業者選びのポイント】

省エネ住宅の性能は、設計力と施工技術に大きく左右されます。業者選びは慎重に行いましょう。

  • 省エネ住宅の実績は豊富か?:これまでに建てた省エネ住宅の事例(UA値、C値の実績など)を確認しましょう。
  • 性能についてきちんと説明してくれるか?:UA値やC値、換気計画など、専門的なことについても、分かりやすく丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。質問に対して曖昧な答えしか返ってこない場合は要注意です!
  • 気密測定を実施してくれるか?:C値は実測しないと分かりません。全棟で気密測定を実施し、その結果をきちんと報告してくれる業者は信頼性が高いと言えます。目標C値も確認しましょう。
  • 補助金申請のサポートはしてくれるか?:複雑な補助金申請の手続きをサポートしてくれるかどうかも確認しておくと安心です。
  • 完成見学会で実際の建物を体感する:可能であれば、その業者が建てた家を実際に体感し、温熱環境や空気感を確かめてみましょう。
  • 相性も大切:担当者とのコミュニケーションがスムーズか、信頼できる相手かどうかも重要。

最後に

ここまで省エネ住宅の基本から、メリット・デメリット、様々な種類、そして2025年から始まった義務化の重要性、さらには賢く活用したい補助金・減税制度、そしてリフォームによる性能向上まで解説してきました。
「省エネ住宅」が単なる流行ではなく、これからの家づくりのスタンダードであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

2025年の義務化スタートは、まさに省エネ住宅時代の本格的な幕開けです。
これから新築をお考えの方はもちろん、今のお住まいのリフォームを検討されている方も今回の情報を参考に、ご自身のライフスタイルや予算に合った最適な省エネ住宅の形を探してみてください。

ベルズワークスでは、補助金や減税制度に関するご相談も承っております。
お客様の状況に合わせた最適な活用方法をご提案させていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者:悠木 櫂