家の断熱性能を高める窓
家の断熱性能を高めるためには、窓の断熱がすごく有効です。
なぜなら、住宅の熱流出は窓からが一番高いからです。
窓は一般的に壁や天井と比べて断熱性が低く、外気との直接の接触が多い場所です。
冬場には冷気が窓を通じて室内に入り込み、室温を大幅に下げる原因となります。
逆に、夏場には窓から熱が入り込み、室内が過度に暑くなってしまいます。
数値的には、夏に室内へ入る熱の70%、冬に室内から出ていく熱の50%が窓からなんです。
ご存知の通り、日本の断熱性能は、先進国の中で最下位レベルです。
2024.10.23家づくりを始めた人に知ってほしい日本の断熱性能の事実
その大きな要因として、窓の断熱性能が悪いことが言えます。
窓の断熱性能を高めることは、冬は寒くて夏は暑い・光熱費がかさむ・結露による家の劣化を防ぎ、住みやすさを守ってくれます。
今回は、断熱性の高い窓についてお話しします。
窓は、主にサッシと窓ガラスとスペーサからできています。
まずはサッシについてです。
それではご覧ください!
断熱性能を向上させるサッシの種類
窓の断熱性を高めるにはサッシの役割は大きいと言っても間違いないです。
各種のサッシの特徴とそれぞれの断熱性能について詳しく話していきます。
サッシの種類
- アルミサッシ: 軽量で耐久性があり、メンテナンスが簡単。一般的に使用される
- 樹脂サッシ: 熱伝導が少なく、断熱性が優れている。結露防止に効果的
- 木製サッシ: 自然な風合いがあり、断熱性能も良いが、メンテナンスが必要
- 複合サッシ: アルミと樹脂や木を組み合わせたもので、各材料の利点を生かしている
アルミサッシは熱伝導率が高く、熱が逃げやすいのに対し、樹脂サッシは断熱性能が高くなります。
アルミサッシは軽量かつ耐久性がありますが、寒い冬の日には室内の温度が下がりやすく、結露が発生しやすいというデメリットがあります。
そのため、夏の暑さや冬の寒さ対策としては適していない場合があります。
一方、樹脂サッシは断熱性能に優れ、結露の発生を抑える効果があります。
樹脂は熱を伝えにくいため、外気からの影響を最小限に抑え、室内の温度を快適に保つことができます。また、近年では樹脂とアルミを組み合わせた「アルミ樹脂複合サッシ」という選択肢も増えています。
これは外観の美しさと同時に、断熱性能を向上させる特徴があります。
アルミ部分が外部での耐久性を確保し、樹脂部分が内部で高い断熱性能を発揮します。
日本で利用率が高いアルミサッシ
日本の住宅ではアルミサッシの使用率がすごく高く、主流です。
わたしの実家もオールアルミサッシです。
主な理由として、軽量で取り扱いやすく、さらにコストが比較的低いためです。
多くの新築住宅やリフォーム案件で採用されています。
施工の効率が向上し、結果として全体の建設コストを抑えることが可能なんです。
ですが、実は先進国の中でアルミサッシが主流なのは日本だけなんです。
アルミは非常に軽量で強度が高い素材です。
これにより、窓やドアの大きな開口部を作りやすくなります。
また、耐久性にも優れており、長期間にわたってその性能を維持することができます。
さらに、アルミは腐食しにくいため、海沿いや高湿度の地域でも安心して使用できます。
その他にも、アルミサッシはデザイン面でも優れており、多くのカラーバリエーションや仕上げが選べるため、様々な住宅スタイルに柔軟に対応できます。
ホームセンターなどでも手軽に購入でき、DIYを考える方にも最適な選択肢となります。
掃除やメンテナンスが比較的簡単である点も、多くの家庭で重宝される理由の一つなんです。
アルミの枠は熱が逃げやすい
アルミのサッシは熱伝導率が高いため、外気の熱が室内に侵入しやすく、また室内の熱が外へ逃げやすいです。
結果として、窓ガラスに断熱効果が高いものを使っていても、アルミサッシを使用する窓は断熱性能が低いです。
冬場はサッシ部分が外気で冷やされ、冷気が室内に流れ込みます。
夏場はサッシ部分が外気で熱されて、熱が室内に移動してきます。
このようにアルミの枠を使用した場合、熱の移動が容易になるんです。
あとで出てくる、窓ガラスに複層ガラスLow-Eガラスを使っていたとしても、一部の熱は遮断されますがアルミフレームからの熱の移動による影響は大きいのです。
断熱性能を高める素材は「樹脂」
断熱性能を高めるために樹脂サッシに注目が集まっています。
樹脂は熱伝導率が低く、外部からの熱を遮断する性能が高いためです。
その熱伝導の低さは、アルミサッシに比べて1/1000ほどもなんです。
さらに、樹脂素材のサッシはメンテナンスが比較的簡単で、長期間にわたり安定した断熱性能を保持できる点も大きな魅力です。
結露防止と健康環境の改善
他にも熱伝導が低いことで、結露防止にも効果があります。
結露はカビやダニの発生原因となり、健康リスクを引き起こすことがあります。
特にアレルギーや呼吸器系の疾患を持つ人にとっては重大な問題です。
例えば、寒冷地ではサッシに結露が発生することが多く、その水分がカビの原因になります。
このカビが空気中に胞子を放出し、室内の空気を悪化させる要因となります。
カビの胞子は住まいの空気中を漂い、家族の健康に影響を及ぼします。
特に子供や高齢者、アレルギー体質の方にとっては深刻な健康リスクを伴います。
断熱性能の高い樹脂サッシを使うことで、外気との温度差を減少させ、結露の発生を抑え、
カビの発生も抑えることができるんです。
樹脂サッシは健康的な生活環境をつくるためにも効果大きいのです
アルミサッシと樹脂サッシの比較
アルミサッシと樹脂サッシは断熱性能において大きな違いがあります。
アルミサッシは熱を伝えやすい特性があり、外部の寒暖差を室内に直接伝えてしまう一方で、樹脂サッシは熱伝導率が低く、より優れた断熱性能を発揮します。例えば、冬場にアルミサッシを使用している場合、窓際が冷たくなることが多いですが、樹脂サッシに変更することで室温が安定し、暖房効率が向上します。断熱性能を重視するなら、熱伝導率の低い樹脂サッシが効果的です。
断熱性能を向上させる窓ガラスの種類
次は、窓ガラスの種類とその断熱効果について詳しく見ていきます。
断熱効果を高めるためには、まずガラスが重要です。
ガラスの特性は窓全体の断熱性能に直接影響を与えるためです。
窓ガラスには、普通の性能から断熱性能の高いものまでいくつかあります。
具体的には、二重窓や三重窓、Low-Eガラス、アルゴンガス入りの窓ガラスなど、さまざまな種類のガラスがどのように断熱性能を高めるかをお話しします。
ガラスの種類と断熱効果
ガラスの種類ごとに異なる特性があり、それぞれが異なる断熱効果を持っています。
例えば、単板ガラス、一重ガラス、複層ガラス、Low-Eガラスなどがあります。
これらのガラスはそれぞれ異なる断熱性能を持ち、効果も異なります。
- 単板ガラス: 最も基本的なガラスで、断熱性能は非常に低く、室内外の温度差が顕著
- 一重ガラス: 単板ガラスと比べて多少の断熱効果が向上、大きな効果は期待できない
- 複層ガラス: ペアガラスとも言われています。二枚のガラス板の間ある空気層が断熱材として機能するため、断熱効果が大幅に向上
- Low-Eガラス: 特殊な低放射コーティングが施されたガラスで、紫外線や赤外線を反射して室内に熱を伝えにくくする
それでは、この中で断熱効果が高い複層ガラスとLow-Eガラスについて詳しく説明します。
複層ガラス
複層ガラスは、窓の断熱性能を大幅に向上させるためには必須といっていいほどです。
窓ガラスの層を増やすことで、室内と外部の気温差を緩和し、断熱効果を高めることができます。
下の写真は三重の複層ガラスです。
二重ガラスの場合、ガラスとガラスの間に空気の層があるため、この層が断熱材の役割を果たします。
三重ガラスでは、空気層が二つになるので、さらに熱が直接伝わりにくくなります。
二重ガラスと三重ガラスは断熱性能を強化し、エネルギー効率を高めるためのかなり有効です。
アルゴンガス入り
アルゴンガスとは空気よりも熱伝導率が低い気体です。
一般的な複層ガラスの場合、ガラスとガラスの間に入っているのは乾燥空気などです。
乾燥空気の代わりにアルゴンガスをいれると、熱が伝わりにくくなり、さらに断熱効果が上がります。
Low-Eガラスとその特性
Low-Eガラスとは、ガラスの表面に特殊な金属の膜がコーティングされているガラスです。
断熱タイプと遮熱タイプがあります。
断熱性能はどちらも変わらず、違いは日差しを取り入れるか遮るかの違いです。
太陽からの日差し (紫外線や赤外線)を反射して、熱の移動を防ぐ効果があります。
複層ガラスと大きく違うのは、日差しからの熱の移動を反射できる点です。
複層ガラスだと、空気の移動による熱の伝達は防げても太陽の日差しによる反射熱は防ぐことができないんです。
スペーサーの種類
最後はスペーサーについてです。
断熱性能を高めるためには、窓ガラスやサッシだけでなく、スペーサーの種類にも注目する必要があります。
スペーサーとは、複層ガラスのガラスとガラスの間に空間を作るために挟んでいるパーツのことです。
下の写真の赤枠に囲まれた銀色の部分がスペーサーです。
こんな小さなパーツが、本当に断熱性に影響を与えるか疑問ですよね?
でも事実、影響与えるんです。
それではスペーサーが断熱性にどのようにして影響を与えるのかお話ししますね。
スペーサーの種類と断熱効果
- アルミスペーサー: 耐久性が高く、コストが安い
- 樹脂スペーサー: 熱伝導が少なく、断熱性が優れている。結露防止に効果的
この二種類だけです。
サッシと同じように、アルミスペーサーは樹脂スペーサーに比べて高い熱伝導性を持っています。
そのため、外部の冷たい空気や熱が室内に伝わりやすく、断熱効果は低くなります。
熱伝導の違いは、外気温が一気に下がる冬に起こりやすい結露にも大きく関係してきます。
そもそも結露とは、外気温によって窓ガラスの表面が冷たくなり、室内側の窓ガラスの表面温度が室内空気の露点温度を下回った場合に起こります。つまり、熱伝導が高いアルミスペーサーだと表面がつめたくなりやすいので結露が起きにくく、熱伝導の低い樹脂スペースは結露が起きにくいです。
これでは、窓ガラスをアルゴンガス入りの二重や三重の複合ガラスにして、サッシも樹脂サッシにしたとしても、スペーサーがアルミだと断熱の効果が減少してしまいますね。
窓の断熱性能を高める窓の結論
窓の断熱性能を高める窓とは、サッシには樹脂サッシ。
窓ガラスには、Low-Eガラス。
そして、その窓ガラスには樹脂スペーサーを使用することです。
ベルズワークスが建てるお家の窓の標準仕様
- 樹脂サッシ
- アルゴンガス入りLow-E複層ガラス
- 樹脂スペーサー
Low-E複層ガラスのタイプは断熱タイプ、遮熱タイプのどちらも使用しています。
窓が南側に面する場合は、太陽からの光を程よく取り入れるために断熱タイプを。
それ以外の方角に窓が面している場合は、強い日差し(西日など)をしっかりとカットする遮熱タイプを使用しています。
これが、ベルズワークスが建てる家の標準仕様の窓です。
私たちが考えうる中で断熱性能が高いものを組み合わせて、効果を高めています。
断熱性能に関して、ハウスメーカーや工務店によって性能がまちまちです。
ベルズワークスがここまで断熱性能に徹底的にこだわっているのは、
断熱性能が住みやすさに直結することの一つだと考えているからです。
断熱性能について相談してみたい方、ベルズワークスでは無料個別相談を随時実施しています。
いつでもお気軽にお申し込みください。直接の営業(訪問や電話)は行っておりませんので安心してください!