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家づくりを始めた人に知ってほしい日本の断熱性能の事実2024.10.23

家づくりを始めた人に知ってほしい日本の断熱性能の事実

投稿日:2024.07.24
更新日:2024.10.23

日本の住宅の断熱性能は、先進国で最下位レベル
びっくりされる方が多い事実です。
日本は技術も高いので、住宅の性能も高いと思われています。
残念なことに違います。
まずは下の表を見てください。

この表は、2021年時点の断熱性能に関して国ごとの基準を比較したものです。
表の下にある国が、断熱性能が高い国です。

国別UA値

出典:“国土交通省. 今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方(第三次答申)及び建築基準制度のあり方(第四次答申)について. 令和4年2月1日 報道発表資料の参考資料集P35を参照し作成

縦のグラフ0.0~1.0の数字は、UA値です。
UA値とは断熱性を数値で表したものです。
数値が小さいほど断熱性能に優れています。

横のグラフ0~5,000の数字は暖房デグリーデーです。
暖房デグリーデーとは、その地域の寒さを表す指標です。
数値が大きいほど暖房が必要となる期間が長く、数値が小さいほど暖房が必要ないということを表します。

住宅の断熱性能が高い国は、イタリア・イギリス・ドイツ。この図には載っていませんが、フランスやスウェーデンも断熱性能が高い国です。
欧州が多いですね。中でもドイツとイギリスは最高クラス。

日本はどうですか?
ぶっちぎりで一番上にありますね。いかに日本の断熱性能が低いかがよく分かります。
地理的にも近い韓国よりも性能が低いですね。

UA値については、こちらの記事でめちゃくちゃ簡単に分かりやすく説明しています。
UA値って何?2024.02.22UA値って何?

欧州の家はなぜ暖かい?

欧州には「人が一定以上の暖かい家で生活することは、基本的な人権である」
という思想があります。
その思想から一戸建て賃貸を問わず、住宅には法令で室温規制が定められています。

この室温規制を簡単にご説明します。
人が室内で健康にすごせる理想の温度は21~23℃。
だから、この室温になるような住宅にしてください。最低でも18℃を下回らないようにしてください。
18℃以上の室温を維持できない建物は法令違反になります。(国によって温度の違いあり)

違反した住宅は建てられない、賃貸だと人に貸せないので改修や取り壊しになる厳しい法令です。
そのため、欧州では断熱材の厚さも義務付けられていて、しっかりと断熱性能が高い住宅が建てられているんですね。
ちなみに、室温の維持はリビングだけじゃなくて、廊下やトイレ、お風呂場も含みます。

欧州ではなぜ、ここまで厳しい規制があるのか。
それは、室内の温度が人の命に関わることだからなんです!

命に関わる!18℃を下回る部屋で過ごすリスク

人が18℃より下の室温ですごしていると、病気になるリスクが増えていきます。

・16℃未満:呼吸器系疾患に影響が出始める
・12℃~9℃:血圧の上昇、心臓血管疾患のリスク
・5℃:低体温症を起こす

部屋の寒さは、様々な病気を引き起こすきっかけになります。
吸った冷たい空気が交感神経を刺激し、体温を逃さないように血管が収縮し、血圧を上昇させます。

また、ウイルスや細菌は低温・低湿度を好みます。
病気への抵抗力が下がり、肺感染症のリスクが増大。
さすがに、部屋の中で低体温症になることは少ないでしょうが、脳卒中、肺炎、心筋梗塞など死亡リスクの高い病気を引き起こす可能性が出てきます。

日本の住宅の断熱性能

日本には欧州みたいな室温規制がありません。
さらに、断熱材に関しても義務化されていません。
そのため、家の中が暖かろうが寒かろうが家は建てられます。
極端な言い方をすると、断熱材をまったく使わなくても違法になりません。
寒冷地域だとしてもスカスカの断熱材の家でも問題なく建てられるのが現状なんです。

そして、断熱材の問題だけじゃありません。
日本の住宅の断熱性能を大きく下げているのが「窓」なんです。

窓は壁や天井と比べて断熱性が低く、外気との直接の接触が多い場所です。
冬場には冷気が窓を通じて室内に入り込み、室温を大幅に下げる原因となります。
逆に、夏場には窓から熱が入り込み、室内が過度に暑くなってしまいます。
夏に室内へ入る熱の70%、冬に室内から出ていく熱の50%が窓からなんです。
その窓の性能も日本は、先進国の中では取り残されつつあります。

日本の住宅の窓の性能。断熱を高めるための窓についてはコチラ!

「家の断熱性能を左右するのは窓だった!」住みやすさに直結する断熱対策とは?2024.10.30「家の断熱性能を左右するのは窓だった!」住みやすさに直結する断熱対策とは?

断熱性能が低い家が招く「ヒートショック」

断熱性能が低いと、部屋ごとに寒暖差ができます。
エアコンで暖められた、もしくは冷やされた部屋とそれ以外の部屋。
この部屋を行き来するだけでも体にかかる負担は大きいものです。

その最たるものが「ヒートショック」による死亡です。
寒暖差によって血圧が急変動し、脳出血など様々な症状を引き起こします。
夏でも起こりますが特に多いのが冬です。
寒ければ寒いほど「ヒートショック」は発生しやすくなります。

それなら、ヒートショックは寒い地域に起こりやすいと感じるでしょう。
しかし、実際は逆なんです。
北海道などの寒い地域は発生件数は少なく、比較的温暖な西日本に多い県が集中しています。
寒い地域には、断熱性能が高くしている家が多いため、ヒートショックの原因である部屋ごとの寒暖差が少ないんですね。

ヒートショックが起こるメカニズムはこちらの記事で詳しく説明しています。
死亡者が交通事故よりも多い「ヒートショック」の知識は知っておくと防げます!
お風呂で溺死!? ヒートショックを防げる家と、防げない家!2023.08.31お風呂で溺死!? ヒートショックを防げる家と、防げない家!

断熱性能は下げないで!

日本の断熱性能が低いといっても時代は令和。
情報もたくさん出てるし、どの工務店もそれなりの断熱をしてくれるでしょ。
寒くて暮らしにくい家なんてそうそうないんじゃないかな・・・・と思いますよね?
わたしも建築業界に入るまではそう思っていました。
でもそうじゃないんですよ!

おしゃれで立派な外観で、素敵な間取り。
だけど、冬はエアコンをつけっぱなしじゃないと寒い
そんな家を建てる工務店は今でもあります。

なぜなら、先ほども言ったように日本には室温規制も義務もありません。
義務がないということは断熱にそこまで力を入れてきておらず、断熱施工の知識がない工務店もあります。
(断熱性能は外観や間取りと違って見えない部分なので)

ハウスメーカーや工務店によって断熱性能がまちまちなんです。

ですので、断熱性能はどの工務店も当たり前にしっかりしてくれるものと過信せずにちゃんと気にしてください。
断熱性能はより高い性能のものを。

家づくりを進めていると、水回りの設備や家具を選んでいたら予算をオーバーしてしまったので、
何かを減らしたり設備のグレードを下げて、予算内に収める必要がある場面がくることもあります。
そうしたときに、断熱性能だけはグレードを下げない方がいいです。
その家で快適に過ごせることに直結するからです。
これは、代表の鈴木がいつも口すっぱく言っていることです。

そして、さらに断熱性能だけでなく気密性もちゃんと気にしてください。
断熱性能と機密性が合わさって最高の効果が発揮できるんです。
「気密性」は「断熱性」と同じくらい重要なこと2024.02.14「気密性」は「断熱性」と同じくらい重要なこと

断熱性能は目に見えないので、浴槽やキッチン、内装など目に見えるものよりも優先して削られる傾向があります。
断熱はキチンとやればやった分だけ、日々の暮らしで効果を感じることができます。
たしかに初期費用はかかってしまいますが、長期的に光熱費やメンテナンス費などランニングコストを減らしてくれます。

ベルズワークスの断熱性能

ベルズワークスが建てる家の断熱性能は、標準仕様で欧州レベルです。
ご要望によって仕様を上げるとドイツと同等の断熱性能にすることができます。
家の構造に合わせて適切な場所に、品質の高い断熱材を使用することで、高い断熱性能を可能にしています。

以前、年末に建築写真を依頼したカメラマンさんから撮影時に
「窓を開けたまま撮影しているんですが、この家暖かいですね」
と言われたことがあります。

詳しい内容はこちらの記事で話しています。
夏でも冬でも快適に過ごす「断熱」の重要なお話!2023.10.19夏でも冬でも快適に過ごす「断熱」の重要なお話!

最後に

エアコンを消したら、あっという間に部屋が寒くなる。
だから、エアコンは高めの温度でずっとつけておきたいけど光熱費が高い。
光熱費の高騰で、暖房器具をつけたいけど我慢して控える人が増えています。
それにより体調を崩す方も増えているそうです。

部屋の暑さ寒さは、環境によるストレスといいます。
環境によるストレスは人の身体に負荷をかけ続けます。
怖いことにこの環境によるストレスは、自覚しにくく、しらずしらずのうちに自律神経が乱れて体調不良になってしまうことがあります。

最近、変に疲れていませんか?
もしかしたら、その疲れは部屋の寒さから来てるのかもしれませんよ。
我慢した先に待っているものは病気、なんて生活は避けたいですね。

断熱性能について相談してみたい方、ベルズワークスでは無料個別相談を随時実施しています。
いつでもお気軽にお申し込みください。直接の営業(訪問や電話)は行っておりませんので安心してください!

投稿者:Bell's Works

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